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ECO-TURN誕生秘話

ECO-TURN誕生秘話

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このページの情報は掲載日・更新日現在のものです。/掲載日:2011年8月4日

お客様の声がきっかけ

アスクルは「通信販売」という特性上、商品をお届けする際にはどうしても一定量の梱包材(ダンボールや緩衝材)を使用します。梱包材については、お客様からのご要望も非常に多く、定期的に行っているお客様アンケートでも、実は「商品の価格」「品揃え」に次いで多いのが「過剰梱包」に対してのご意見です。こういったお声を受け、2000年から商品の大きさや種類に応じて、ダンボールを使わずに紙袋またはポリエチレン袋を使ってお届けする「簡易梱包」をスタートさせ、その後、高さ調整が可能なダンボール箱を採用し、緩衝材の使用量を最小限にする工夫を継続してきました。しかしながら、こういった取り組みを進めてみても、梱包材に対するお声はなかなか減りませんでした。そこでよくよくお客様にうかがってみると、あるひとつのことが浮き彫りになってきました。
お客様はいくら中に詰めてある緩衝材が減っても、届いた後のダンボールを解体し、ダンボール置き場で保管し、リサイクルに出す…といった一連の作業はなくなりません。ダンボールはリサイクル性にも優れた、非常に環境に配慮された素材であることは充分に認識されているのですが、お客様にとってはダンボールを片付ける手間自体に不満を感じておられたのです。
また、あるお客様から頂戴した一言が、決定的なきっかけとなりました。2008年のことですが、「私たちの会社ではアスクルのことを“ゴミクル”と呼んでいます」というメールを頂戴したのです。とてもショックでした…お客様のご不満を解消するため、出来る限りの改善を進めてきたつもりでしたが、まだまだ不十分であったと強く認識させられました。このお客様の一言をきっかけに、ECO-TURN配送の実現に向けた取り組みが本格的にスタートしたと言ってもいいかもしれません。

ロジスティクス 統括部長 田中 宏之

ロジスティクス 統括部長
田中 宏之

ロジスティクス 統括部長 田中 宏之

「ECO-TURN」配送のしくみ

従来の仕組みを最大限活用

ECO-TURN配送は、お客様に再利用可能な折りたたみコンテナ(通称:折りコン)やリターナブルバッグによって商品をお届けし、アスクルが回収、再び商品のお届けに使用する仕組みです。この仕組みを考える際、最初に目をつけたのが折りコンでした。実はECO-TURN配送の折りコンは、以前から当社の物流センター内で商品の仕分け作業用に使っていたのとまったく同じものを採用しています。
これまでは一度折りコンに商品をピックアップした後、配送前にわざわざダンボールに梱包し直していました。このダンボールへの再梱包の過程をなくし、折りコンのままお届けすることで、社内の効率アップとお客様の梱包材へのご不満を同時に解決しようと考えたわけです。このように、従来からある資材とノウハウをそのまま活用することで、コスト面、運用面でのハードルを最小限に止めるようにしました。もちろんこれ以外にも、物流センター内の作業改善や配送パートナー会社との配送テストを何度も繰り返し、どのような運用を行うのがベストか検討を重ねました。リターナブルバッグも強度や使い勝手の面で改良を重ね、細かなリニューアルを続けています。

田中統括部長

  • 荷物が入ったECO-TURN
    商品が入ったECO-TURN配送
  • 折りたたみコンテナ
    折りたたみコンテナ
  • リターナブルバック
    リターナブルバッグ

苦労の末、2009年4月からECO-TURN配送をまずは東京エリアでスタートさせたのですが、最初はお客様からどのような反応が返ってくるのか不安で仕方ありませんでした。そこで導入にあたっては、従来のダンボール配送かECO-TURN配送かをお客様に選択していただけるようにしました。7割程度のお客様がECO-TURN配送を選んでいただけたら大成功だと考えていましたが、驚いたことに9割以上のお客様がご賛同いただき、ECO-TURN配送でお届けさせていただく結果となりました。導入後に数件のお客様をご訪問し、ECO-TURN配送についてヒアリングをさせていただいた時、ある発注ご担当者の女性から、「ダンボールを処理する作業がなくなったので、これでハイヒールを履いて会社に来られます」というお言葉をいただき、本当に苦労が報われた思いがしたのを今でも覚えています。
これからもこの経験を活かし、お客様のお声に耳を傾け、本当に望まれている配送の姿を模索していきたいと思います。

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アスクル株式会社 CSR推進部