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空気や水の環境を考えるプロジェクト

空気や水の環境を考えるプロジェクト

空気や水の環境を考えるプロジェクト エステー株式会社×アスクル株式会社

商品の売上の一部を、空気や水の環境改善に取り組む団体に寄付し、その活動を支援します。

座談会レポ 「カンボジアの水と衛生支援」

支援の流れ

支援の流れ

対象商品

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支援実績

【空気や水の環境を考えるプロジェクト】第1~2弾のご報告

  支援先 回数 対象期間 支援金額 使途  
第1弾 特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン
特定非営利活動法人
ウォーターエイド
ジャパン
第1回 2021.2.21 ~ 2021.8.20 963,349円 インド オディシャ州バドラック県 保健医療施設における手洗い設備とトイレの設置プロジェクト 詳細は
こちら
第2回 2021.8.21 ~ 2022.2.20 992,114円
第3回 2022.2.21 ~ 2022.8.20 971,784円 インド マディヤ・プラデシュ州ディンドリ県 水・衛生プロジェクト
第2弾 特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン
認定NPO法人
ハビタット・フォー・
ヒューマニティ・
ジャパン
第4回 2022.8.21 ~ 2023.2.20 926,034円 カンボジア再定住コミュニティの学校における水・衛生支援プロジェクト 詳細は
こちら
第5回 2023.2.21 ~ 2023.8.20 908,414円
第6回 2023.8.21 ~ 2024.2.20 991,936円
第7回 2024.2.21 ~ 2024.8.20 997,391円

各支援の詳細

第2弾 ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン

ハビタット・フォー・ヒューマニティのロゴ

ハビタットは、「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」の実現を目指し、世界70ヵ国以上で住まいの問題に取り組み活動する国際NGOです。

理念(ビジョン)
A world where everyone has a decent place to live.
誰もがきちんとした場所で暮らせる世界

使命(ミッション)
ハビタット・フォー・ヒューマニティは、住まい、コミュニティ、そして
希望を築くため、人々と手を取りあいながら、信念を持って活動する

●プロジェクト第2弾のスケジュールと支援内容

プロジェクト第2弾のスケジュールと支援内容
活動地域:
カンボジア シェムリアップ州バンテアイ・スレイ群/ヴァリン群
支援内容:
① トイレの建築もしくは修繕
② 手洗い場の建築
③ 児童に対する衛生教育と衛生キットの配布
学校名 生徒数 教師数 トイレ・手洗い場の
建築・修繕状況
衛生教育
男子 女子 男性 女性
Samdac Techor Hun SenTbeng小学校 21 17 0 3 2023年8月完了 継続中
Sraes Khvav小学校 118 112 1 8 2023年5月完了 継続中
Karona小学校 32 21 1 2 2023年5月完了 継続中
Khsach Popil 小学校 50 55 5 2 2024年6月完了 継続中
合計 221 205 7 15    

● 空気や水に関連する支援地域のニーズ

本プロジェクトは、ハビタット・カンボジアがシェムリアップ州バンテアイ・スレイ地区で実施している既存のプロジェクトを基盤に、不法居住状態から再定住し、公共サービス等へのアクセスを向上させることを目的としています。支援対象となるコミュニティでは、誰もがきちんとした住居にて生活し、公的サービスや特に衛生教育を受けられる状況にありません。ハビタットでは、学校のトイレと手洗い場を修繕支援、建築することで、対象の小学校の衛生設備と衛生習慣を改善し、新型コロナウイルス感染症の蔓延から子どもたちとそのコミュニティを守るための衛生キットを提供する予定です。

● プロジェクトの詳細と進捗状況

Samdac Techor Hun SenTbeng 小学校

Samdac Techor Hun SenTbeng 小学校
  • 既存のトイレを修繕し、3つの個室を設け、障がいを持つ生徒が利用しやすいバリアフリー施設設計とする
  • 手洗い場(蛇口8個付)1基新設
  • 衛生用品とコロナ感染症対策キットを全生徒に支給
  • 全生徒と教師への衛生教育とコロナ感染症予防の啓蒙活動

2023年8月トイレ・手洗い場の建築・修繕完了/衛生教育継続中

SRAES KHVAV 小学校

SRAES KHVAV 小学校
  • トイレを2室新設し、障がいのある生徒が利用しやすいバリアフリー施設設計とする
  • 手洗い場(蛇口8個付)1基新設
  • 衛生用品とコロナ感染症対策キットを全生徒に支給
  • 全生徒と教師への衛生教育とコロナ感染症予防の啓蒙活動

2023年5月トイレ・手洗い場の建築・修繕完了/衛生教育継続中

Karona 小学校

Karona 小学校
  • トイレを2室新設し、障がいのある生徒が利用しやすいバリアフリー施設設計とする。
  • 手洗い場(蛇口8個付)1基新設
  • 衛生用品とコロナ感染症対策キットを全生徒に支給
  • 全生徒と教師への衛生教育とコロナ感染症予防の啓蒙活動

2023年5月トイレ・手洗い場の建築・修繕完了/衛生教育継続中

Khsach Popil 小学校

Khsach Popil 小学校
  • トイレを2室新設し、障がいのある生徒が利用しやすいバリアフリー施設設計とする。
  • 手洗い場(蛇口8個付)1基新設
  • 衛生用品とコロナ感染症対策キットを全生徒に支給
  • 全生徒と教師への衛生教育とコロナ感染症予防の啓蒙活動

2024年6月トイレ・手洗い場の建築・修繕完了/衛生教育継続中

現地進捗報告

進捗レポート①(2022年9月~2022年11月)

第1四半期に、ハビタットは対象地域にある12の学校のアセスメントを実施し、本プロジェクトの支援対象となる3校を選定しました。学校の衛生設備の状況や、各校に障がいなどのより社会的な支援を必要とする生徒があるかなどの指標をから総合的に判断された3校が選定されました。選定後、各校のフィージビリティ・スタディを実施しました。フィージビリティ・スタディの支援計画が実現可能かの調査)も実施しました。現在各校が使用しているトイレの調査だけではなく、各校が抱えるトイレや衛生に関する問題、また生徒のニーズについてもヒヤリングすることで、それぞれのニーズあったトイレのデザイン等に取り組む準備ができました。

ハビタットでは3校の中でもSRAES KHVAV小学校が最もニーズが高いと判断し、設置するトイレの設計を下記の通り行いました。男性、女性、バリアフリーの多目的の個室をそれぞれ1室ずつ新設予定です。

4つの設計モデル。上2つは側面から、下2つは間取り。
進捗レポート②(2022年12月~2023年2月)

第2四半期は、トイレと手洗い施設を一つの学校に設置することを目標に開始しました。当初の計画としては、3月中旬に建設を開始し4月上旬に完成の予定でしたが、コスト面での再調整が必要となったため、デザイン・設計の段階から見直しを行うこととなりました。建設費のコストを抑えるために、一つの給水塔からの水をトイレと手洗い場、両方で使えるような仕組みにするための設計が検討され、新しいデザイン・設計が完成しました。工事は3月中旬に開始され、現在4月の第1週の完成を目指して進行中です。

【最終デザイン】
手洗い場

蛇口がいくつか並んだ手洗い場
最上部のタンクも含んだ手洗い場の全景

現在建設中の手洗い場3月撮影

トイレ

スロープのある白いトイレのデザイン
天井視点から3室あるトイレのデザイン
また、第2四半期では、児童数の最も多いSraes Khva小学校の児童を対象に、衛生用品や新型コロナウイルス対策キットを配布し、全生徒の衛生問題に対する意識を向上させるための教育活動を実施しました。新型コロナウイルス感染症の影響から、世界的に見ても、手洗いの重要性について認知されつつありますが、いつ手を洗うのか(トイレ使用後、飲食前など)、またどのくらいの時間流水するべきかなど、カンボジアをはじめとする途上国では、広く衛生教育を実施する必要があります。
桶を挟んで子どもたちが並び、左の子が右の子の手に片手鍋のようなもので水をかけている
支給された衛生キットを前に並んで撮影

現在Sraes Khva小学校に在籍する児童243人(男子116人、女子127人、うち2人は障害がある男女)に衛生キットを配布し、ハビタットのスタッフが手洗いの仕方をデモンストレーションしながら、衛生教育活動を実地しました。配布されたキットには、石鹸、爪切り、マスク、歯ブラシ、手指消毒剤といった、感染症対策に有益なものほか、ノート、鉛筆、ペン、定規などの文房具も含まれいます。受け取った子どもたちは、嬉しそうにキットの中身を確認していました。また衛生教育の授業では、真剣にスタッフの話に耳を傾けていました。

屋外で大勢の生徒がシートの上に座って衛生教育を受けている様子
代表の児童たちが手洗いの実践している様子
代表の児童たちが手洗いの実践している様子
代表の児童たちが手洗いの実践している様子
(写真)ハビタットのスタッフがキットに含まれている石鹸や手洗い用ブラシの使い方をデモンストレートし、代表の児童たちが、実際にどうやって手を洗うかを実践している様子。
進捗レポート③(2023年3月~2023年5月)
Karona 小学校トイレ
スロープや手すりを設置
第3四半期は、Sraes Khvav小学校とKarona小学校2校それぞれに、トイレと手洗い施設を設置しました。設置されたトイレは3つの部屋に分かれており、女子用、男子用の他、手すりやスロープを備え、障がいのある生徒が使いやすいよう配慮されたトイレも設置されました。これにより、子供たちが物陰に隠れて用を足さなければならない状況が大きく改善され、特に女子児童や障害のある児童でも、安心してトイレを使用できるようになりました。またこの2校には、今季手洗い施設も完成したことにより、当初の実施計画通りに、本プロジェクトの工事は進んでおります。

また今期は、Karona小学校の児童53名(男子32名、女子21名)を対象に、適切な手洗いと衛生を促進するため衛生キットを配布し、教育活動を実施しました。キットの中には石鹸や消毒剤の他、歯ブラシや爪切など日々の生活必需品も含まれており、それらを継続して使用することにより、児童やその家族の衛生問題に対する意識の向上が期待できます。この啓蒙活動プロジェクトは、衛生教育を既に実施した各校の実際の生徒数から算出して、現在までに目標の105%を達成いたしました。

【完成画像】
手洗い場(完成)

Sraes Khvav小学校に設置された手洗い場

校舎のそばに手洗い場が設置されたことにより、子供たちはトイレを使用した後や昼食の前に、容易に手を洗うことができるようになりました。これにより新型コロナウイルスや下痢等の胃腸疾患から子供たちの健康を守るだけではなく、それらの罹患による欠席を減らすことができ、結果として、子供たちの貴重な学習の機会を守ることに繋がっていきます。小学校に一基の手洗い場が設置されることは、カンボジアの子どもたちの明るい未来をつくるための第一歩となる、貴重な支援となっています。

せっけんを使って手を洗う様子
手洗い場の前に並ぶ子供たち

トイレ(完成)

Karona 小学校に設置されたトイ レ
設計デザイン

Srah Khvav小学校 と Karona小学校にトイレが新設されました

学校にトイレが設置されることによって、子供たちは物陰に隠れて用を足さなくてもよくなり下痢や腎臓や膀胱の疾患に感染するリスクの減少が期待できます。また特に障害がある児童や女子児童に関しては、一基の清潔なトイレがあることで、安心して学校で過ごすことができるようになりました。カンボジアの学校のトイレの不足は、子供たちが小学校に入学しても、途中で通学をあきらめなくてはならない状況を生み出しており、高い中退率の原因の一つとなっています。トイレ支援は、様々な病気を防ぎ子供たちの健康状態を改善するだけではなく、子供たちの学習の機会を守る活動となっています。

進捗レポート④(2023年6月~2023年8月)

第4四半期は、Samdach Techu Hun Sen Tbaeng小学校の既存トイレの改修に加え、新しい手洗い場の設置を完了しました。これで予定していた3つの小学校すべてにトイレと手洗い場を設置することができました。今期改修したトイレは3つの個室に分かれており、女子用と男子用の他、障がいのある子どもたちが利用しやすいように、入口までにスロープを設け、個室内には手すりを設置したバリアフリーのトイレを設置しました。新しいトイレが出来上がったことで、子どもたちが野外排泄をすることが減ってきたことが確認されています。

Samdach Techu Hun Sen Tbaeng小学校5年生のRatanakさんからは、「男女別のトイレが新設され、扉がきちんと閉まるようになったので、安心して使えるようになりました」との喜びの声が届いています。

男女別トイレに車いす用スロープが設置されている
トイレの裏からパイプが3本見える
トイレに向かうスロープに並ぶ子供たち

新たに設置した手洗い場は、計画段階では8つの蛇口を設置予定でしたが、学校側の要望を取り入れ、一人でも多くの子どもたちが一度に手を洗えるよう、10個の蛇口を設けた手洗い場を設置しました。。Samdach Techu Hun Sen Tbaeng小学校の教師Saolinさんは「学校に手洗い場ができたことで、子どもたちが以前より頻繁に手を洗うようになりました。これは衛生に対する子どもたちの意識に変化が見られたからだと思います」と話されています。

オレンジ色にペイントされた手洗い場のうえに青いタンクが見える
手洗い場で手を洗う女の子

トイレおよび手洗い場の新設完了に伴い、同校に通う子どもたち38人(男子21人、女子17人)に、安全な水やトイレの必要性を伝え、感染症予防に欠かせない手洗いなどの講習を通じた衛生教育活動を実施したほか、衛生用品や新型コロナウイルス対策キットを配布しました。

これで目標としていた3校の全児童に、衛生キットの配布と衛生を促進するための教育活動を行うことができました。(以下画像)

屋外で緑のシートに座り、衛生用品を掲げる子どもたち
屋外で緑のシートに座り、衛生用品を掲げる子どもたち
Habitat for Humanity Japanのパネルが掲げられ活動している様子
Samdach Techu Hun Sen Tbaeng小学校での活動の様子
進捗レポート⑤(2023年9月~2023年11月)
手洗い場で子どもたちが石鹸で手洗いしている

プロジェクト第2期の 第1四半期の活動の進捗としては、まず3校に設置されたトイレと手洗い場が良好に管理され適切に利用されているか、プロジェクトチームが各学校を訪問し確認を行いました。3校ともトイレ、手洗い場とも概ね良好な状態にありましたが、手洗い場にせっけん置いていなかった状況が確認できたため、学校側と話し合い手洗い場にはせっけんを常備するよう指導しました。トイレ設置後は野外排泄が減少し、トイレを理由に学校に来ない、または早退する児童が減少した一方で、トイレの後や食事の前に手を洗わない児童が依然としていることを受け、クラスごとに週一回の手洗いの練習を行い、併せて全児童を対象とした月一回の衛生教育活動を行うこととしています。継続的な衛生教育活動を行うことで、手洗いの習慣が定着し、衛生に対する意識の向上を目指しています。

トイレの掃除をする子どもたち
両手のひらを挙げる子どもたち

今期のもう一つの進捗としては、新規にトイレと手洗い場を設置する学校の選定を行い、シェムリアップ州Varin群Srae Nou地区のKhsach Popil 小学校への支援が決定しました。Khsach Popil 小学校ははシェムリアップ州Varin群のSrae Nou地区にある16の村のなかでも新しい村で、シェムリアップ市街から悪路を北へ約75km行った同地区の他の村からも遠く孤立した場所にある村です。人口は158世帯757人(うち女性337人)で、村の全世帯の16%が女性の世帯主で、21%がIDプアカード(カンボジア身分証明カード貧困レベル1、2)を持つ低所得世帯で構成されています。また村の住民の約4%が何らかの障害を持っているため、今回の調査で同地区の小学校への衛生施設の建設が必要と判断されました。この地区は清潔な水を供給するための整備がないため、調理や風呂、植木の水やりや家畜への水やりなどの生活活動に必要な水は、すべて井戸水や池の不衛生な水に頼っている状態です。地区に一校ある小学校には教師3人と児童104人が使うトイレが1つと、汲み取り式の井戸が1つあるだけで手洗い場はありません。さらにこの村は保健所などの医療施設からも遠く離れているため、医療サービスを受けることは非常に困難な状況です。小学校にトイレや手洗い場があれば、様々な感染症に罹患するリスクが減ることが期待でき、子供たちがトイレへの不安なく学校で長い時間を過ごすことができるようになると考えています。

Khsach Popil 小学校
青いトタン屋根の校舎
一面にいろいろ書かれている黒板
教室内の様子
進捗レポート⑥(2023年12月~2024年2月)

プロジェクト第2期の 第2四半期の主な活動としては、すでに設置された3校のトイレと手洗い場が良好に管理され適切に利用されているかの継続的な調査を行い、改善点がある場合については学校側と協力してその解決方法について検討しました。また新たに1校追加されたKhsach Popil 小学校では、衛生キットを配布し衛生教育活動を行いました。

オレンジ色にペイントされ蛇口がいくつも並んだ手洗い場

学校からの報告によると、トイレと手洗い場の設置された3校については、児童が学校滞在中は屋外排泄をすることはなくなり、手洗いの習慣が定着してきたとのことです。このような習慣を維持するために、学校側は週一回の手洗い練習を実践しており、併せて全児童を対象とした月一回の衛生教育活動を行っています。継続的な衛生教育活動を行うことで、手洗いの習慣が定着し、衛生に対する意識の向上を目指しています。

今期4校目のKhsach Popil小学校では、衛生用品とコロナ感染症対策キットを全生徒に支給し、全生徒と教師への衛生教育とコロナ感染症予防の啓蒙活動を行いました。

屋外の荷台に支給される衛生キットがたくさん置かれている

Khsach Popil小学校がある地区は清潔な水を供給するための整備がないうえ、医療施設からも遠く離れていることから、不衛生な環境が引き起こす感染症にかかっても、すぐに医療サービスを受けることができない状況です。今後小学校にトイレや手洗い場が完成すれば、様々な感染症に罹患するリスクが減ることが期待できることから、まずは衛生キットを配布することで、子供たちの意識を少しずつ変えていくよう、働きかけています。

教室内の様子
キットを受け取って喜ぶ子供たち
進捗レポート⑦(2024年3月~2024年6月)
新しく設置された手洗い場

プロジェクト第2期の 第3四半期には、追加でご支援いただいた4校目のKhsach Popil 小学校に、手洗い場とトイレが設置されました。

これで第一期から継続して取り組んできた4校の学校へのトイレと手洗い場の設置は予定より早く完了いたしました。

前回の第2期の報告書にある通り、この学校では全校児童に向けた衛生キットの配布と衛生教育活動が終了しているため、4つの小学校を対象とした本プロジェクトの活動が6月ですべて今完了いたしました。

完成したトイレ
新しいトイレの内部
建設プロジェクトの関係者

トイレと手洗い場が設置された4校については、プロジェクトチームが学校側と定期的に連絡を取り、トイレや手洗いが衛生的にと管理・整備されているかの確認を行っています。また学校も週一回の手洗い練習を行い、月1回の衛生教育活動も継続して行ってまいります。

最終報告(2022年9月~2024年8月)

プロジェクトの成果

水、衛生設備へのアクセス不足は、遠隔地に住む人たちにとって大きな問題です。特に農村部では、適切な衛生設備がなく、衛生に関する人々の認識が大幅に不足しているため、本プロジェクトは、衛生教育の促進、衛生習慣の強化に重点的に取り組みました。

上記の表にある通り、4つの小学校でのトイレと手洗い場の修繕もしくは建設については、すべての工事が完了し支援目標を達成しました。また衛生用品とコロナ感染症対策キットを全生徒に支給し、全生徒と教師への衛生教育とコロナ感染症予防の啓蒙活動を行うことも、すべての小学校で完了し目標を達成しました。このように小学校の衛生設備の改善と教育によって、子供たちは安心してトイレを使えるようになり、野外排泄が減少しました。特に女子児童や女性教員が、適切に管理されたなトイレがあることで、安心して学校に来ることができるようになったことは、本プロジェクトの大きな成果です。

また手洗い場の設置により、子供たちは、遊んだ後や食事の前に手をきれいにするという習慣が身につき、下痢や感染症などの病気を減らすことができました。各学校では教師がクラス単位で週1回の手洗い実習を行うとともに、全校生徒を対象にした月1回の手洗い日を設定し、継続して手洗いの習慣が定着するよう取り組んでいます。

今後の課題と方向性

本プロジェクトで全校児童に衛生キットを配布し、公衆衛生に関する啓発活動を行うことで、子供達だけではなく教師の公衆衛生の認識を高めることができましたが、衛生に対する認識をさらに定着させるためには、継続して手洗い実習を行い、衛生教育をしていく必要があります。

そのためには今回ご支援を受けて建築したトイレや手洗い場の清潔さと機能性を保ち使い続けられるよう、いかに管理していくかが課題となっています。
トイレや手洗い場の施設の適切な管理方法については、ハビタットのプロジェクトチームが、各学校の校長先生と設備の維持管理計画を策定し話し合いと持つとともに、定期的に学校を訪問して、トイレや手洗い場が衛生的に管理され、使われているかどうかを確認していくことにしています。

SDGaアイコン

第1弾 ウォーターエイドジャパン

ウォーターエイドジャパンロゴ

ウォーターエイドは、「すべての人々が清潔な水と衛生を利用できる世界」をビジョンに掲げて活動する水・衛生専門の国際NGOです。清潔な水、衛生的なトイレ、正しい衛生習慣を届けることで、世界で最も貧しく社会的に取り残されている人々の暮らしの改善を目指しています。特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパンは、日本の水・衛生分野の知見と日本からの支援を世界の水・衛生問題の解決に役立てるため、2013年に設立されました。
*ウォーターエイドについて詳しくはこちら

● プロジェクト第1弾のスケジュールと支援内容

プロジェクト第1弾のスケジュールと支援内容

●第1回・第2回 完了報告
【インド オディシャ州バドラック県 保健医療施設における手洗い設備とトイレの設置プロジェクト】

2021年4月~2022年8月の活動内容

プロジェクトの流れを示したイラスト
政府から
活動承認を取得
既存の水・衛生設備の
アセスメント
(確認・調査)
設備の設計と
詳細計画の策定
設備の建設
維持管理トレーニング
【アセスメント結果】
  • 障害者に配慮したトイレがない
  • 患者・施設利用者が手を洗える設備がない
  • 安全な飲料水を得ることもできない
【計画の策定】
  • 障害者も利用しやすいインクルーシブトイレの設置
  • 患者や利用者用も清潔に使用できるペダル式手洗い設備の設置

対象とする保健医療施設

大きめの黄色いエプロンを着た男性
  • Community Health Center at Chandbali
  • Community Health Center at Thidi
  • Public Health Center at Motto
  • Public Health Center at Orasahi
  • Public Health Center at Pirahat
5つの保健医療施設にトイレと手洗い設備の建設完了
施設利用者5万人がこのトイレを利用することになります

コミュニティ保健センターにおいてトレーニングを2回実施しました。合計70人が参加し、施設における衛生行動や、トイレ・手洗い設備の維持管理について学び、関連マニュアルも作成しました。

男女兼用と女性専用トイレ
インクルーシブデザイン
手洗い設備設置
足で操作可能な手洗い設備

●会計報告

第1回・第2回の支援額の合計1,955,463円が、保健医療施設向け手洗い設備とトイレの設置プロジェクトに活用されました。

※下記は「保健医療施設向け手洗い設置とトイレの設置プロジェクト」全体の会計です。(本プロジェクトからの支援以外の金額も含みます。)

会計報告詳細

● 空気や水に関連する支援地域の社会課題

インドは近年、気候変動と長年の過剰な地下水利用によって、深刻な水不足に直面しています。2030年までに国民の40%が飲料水を得られなくなるとの予測もあります。今回取り組みをするオディシャ州は、インドのなかで貧困率も高く、SDGsの進捗が遅れている州のひとつです。

※インド政府系シンクタンク『Niti Aayog』発表

SDGaアイコン
WaterAid/ Anindito Mukherjee

住民は飲用・生活用水とも地下水を利用しており、地下水が枯れたために遠くまで水汲みに行かなくてはいけません。農業ができず、食料や収入が減少し、災害時には衛生状況が悪化し、病気の流行につながるなど、さまざまな困難に直面しています。

沿岸部にあるオディシャ州は、地下水が減少することで、地下水の海水化が起こっています。近年は気候変動に起因する大型サイクロンや洪水や干ばつが頻発しており、さらに貧困率が高くインフラ整備も進んでいないことから、気候変動の影響に対して非常に脆弱な地域です。

農村部にある保健医療施設では、以前より、適切なトイレや手洗い設備がない場所や不足していることが課題でした。
このような保健医療施設は、治療の場となるどころか、コロナの影響を受け、さらなる感染拡大を引き起こす懸念さえあります。

資料提供:特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン

空気や水の環境を考えるプロジェクトの対象商品を使っていただきながら
さまざまな課題を一緒に知って、考えていきたいと思います。

アスクル株式会社 メディカル部, アスクル株式会社 CSR推進部, 株式会社ディ・エフ・エフ