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【2023年度】第1回 対馬スタディツアー

第1回 対馬スタディツアー 

Report 2023年度 第1回 対馬スタディツアー 2023年10月26日~28日 青い海と島々を背景に、人々が砂浜でごみ拾いをしている様子。晴れた空の下で海岸清掃活動が行われている。

日本のサステナビリティにおける課題の縮図である対馬。その対馬が直面する課題についてアスクル社員が学ぶ、スタディツアーを実施しました。その様子をご報告!

ツアーの様子。海辺でカヤックのそばに立つツアー参加者。赤い旗を持つ人もおり、背後には青い海と緑の山々が広がっている。

スタディツアーの目的は?

九州と韓国の間にある対馬。海を渡っても訪れるべき、その目的は、「企業としてマテリアリティにおける社会課題に取り組む必要性について、リアルな体験を通して体感する」「各自がサステナビリティの取り組みを検討・開始するきっかけにする」こと。

第1回目となるツアーは、サステナビリティに貢献したいという想いのあるメンバーを全社から公募して決定しました。

スタディツアー行程

2泊3日で対馬の課題を体験できる充実のツアーに!

1日目
  • 対馬空港
  • 赤島海岸
  • クジカ浜
  • 和多都美神社
2日目
  • 国崎海岸 清掃
  • 対馬クリーンセンター
  • 対馬野生生物保護センター
  • 棹崎公園
3日目
  • 対馬エコツアー
  • 対馬博物館
  • 振り返りワークショップ
対馬の地図にスタディツアー行程が書かれている。対馬野生生物保護センター、対馬エコツアー、対馬博物館など主要な施設や宿泊地、海岸などの位置が示されている。

アテンドしてくださった対馬の方々

前田 剛さんの顔写真

長崎県対馬市役所 SDGs推進課 
副参事 兼 係長

前田 剛さん

対馬野生生物保護センターのアクティブ・レンジャーとして対馬に移住。ツシマヤマネコの保全に従事して以降、持続可能な地域社会の実現を目指して、日々活動している。

川口 幹子さんの顔写真

一般社団法人 対馬里山繋営塾
代表理事

川口 幹子さん

地域おこし協力隊の生物多様性保全担当として対馬に移住。その後、「志多留」地区の里山環境に一目惚れし、永住を決意。スタディツアーに付随する民泊運営、修学旅行誘致なども手掛ける。

ほかにも、海岸清掃では漁師の皆さん、
カヌー体験ではツシマエコツアーの皆さんと、
多くの方にご協力いただきました!

スタディツアーで多くの学びと発見が!

自然の魅力に気づいた!海・浜・神社・シーカヤック体験も

赤島海岸、クジカ浜、和多都美神社を見てまわり、まず目を奪われたのが、自然の雄大さ。様々な課題があるとは信じがたい、圧巻の美しさでした。

澄んだ青い海と岩場が広がる海岸の風景。右側には緑に覆われた崖があり、穏やかな晴天のもと撮影されている。
海に面した神社の鳥居を夕暮れ時に撮影した風景。奥にも海上鳥居が立ち、静かな水面に山影が映っている。
夕日が海面に反射して輝く穏やかな海の風景。手前には岩が点在し、水平線の上に太陽が浮かんでいる。
青い海の上で2人がカヤックをこいでいる様子。背景には緑の木々が茂る静かな入り江が広がっている。

海洋ごみの清掃、クリーンセンターでごみ処理を学ぶ

赤島やクジカ浜は絶景である一方で、浜で海洋ごみが散乱しており、海洋ごみの現状を目の当たりに。国崎海岸では実際に、現場の漁師の皆さんと総勢20人で3時間かけて清掃。しかし拾いきれないごみもたくさん…。
クリーンセンターでは、ごみ回収・運搬・再分別・破砕などの、海洋ごみの処理について教えていただきました。私達が日常で使用している商品も、巡り巡って海洋ごみを増やしているかもしれない。考えさせられるとともに、海洋ごみ課題の大きさを身をもって体感しました。

海岸に打ち上げられた大量の漂着ごみの中で、数人が清掃活動を行っている様子。発泡スチロールやプラスチック製ブイが散乱している。
清掃活動を行うため、海岸の漂着ごみが見える場所に向かうボート。複数の人がボートに乗り込み、周囲には大量の海洋ゴミが広がっている。
青・赤・黄に処理したプラスチックごみの箱を前に説明を聞くツアー参加者。スタッフがリサイクル工程について案内している様子。
青・黒・黄の漂着プラスチック片が入った3つの透明な容器。手前のラベルには「漂着プラスチック(種)」と色名が記されている。

生態系の変化を目の当たりに、減少しているツシマヤマネコ

野生生物保護センターでは、絶滅危惧種のツシマヤマネコを見学。ツシマヤマネコが好む明るい森やエサの減少が、ツシマヤマネコに影響を及ぼしており、生態系の保全が深刻な問題であることを理解しました。

横を向いているツシマヤマネコの写真。茶色の縞模様があり、鋭い目つきをしている。
館内でスタッフがツシマヤマネコについて説明を行い、数人のツアー参加者が熱心に話を聞いている様子。展示パネルが壁に並んでいる。

食を通じて海洋問題に向き合う

温暖化の影響で起こる磯焼けの原因となる、食害魚「イスズミ」を使った料理を、ランチで頂きました。このイスズミのランチは、イスズミを捕獲し、食することで海藻を増やすことを目指す「そう介プロジェクト」の一環。対馬市は、未利用魚等加工流通促進事業補助金によって事業をサポートしています。このランチ以外でも、対馬の海の幸をたくさん頂き、食からも海の課題を感じました。

「イスズミ」を使ったランチ写真。ご飯、味噌汁、揚げ物の盛り合わせ、サラダ、小鉢、漬物、みかんが並んでいる。
テーブルを囲んで3人がランチを食べている様子

漁家民泊の交流やツアーを通じてチームビルディング

最終日には振り返りのワークショップを実施。今回のツアーを通じて感じたこと、なりたいイメージなど、率直な気持ちを皆でまとめました。

会議室でワークショップの様子が行われている様子。壁には人物の映像が投影され、参加者が椅子に座って話を聞いている。
丸い紙に書かれた皆の感想

他人事が自分事に!スタディツアー後の変化・想い

海岸に立つ清掃活動の参加者たちの集合写真。周囲には発泡スチロールやプラスチック製の漂着ごみが散らばっている。ツアーを終えて感じたこと。 まず対馬の皆さんの前向きさに、心を打たれました。大陸や他の島から流れ着くごみ、そして温暖化による環境の悪化に悲観的になっていると想像していましたが、実際には皆さんとても前向きに取り組まれていたことが印象的でした。

またツアーに参加する前は、「なぜ対馬?」「海洋ごみ問題のイメージはあるけど、詳しくは知らない」「今はSDGsの時代、何か学べればいいな」という、”他人事”だった私達が、ツアー後は、「対馬は日本の社会課題の最先端だった」「体験することが重要」「人、環境問題、体験によって、大いに心揺さぶられた」「日々の生活行動で環境を意識するようになった」「具体的なアクションを起こしたい!」と、意識が”自分事”に大きく変化。 今回のスタディツアーで終わらせずに、参加メンバーとともに、対馬に対して、自分たちでできることから形にして貢献していきたい、そう思いました。

アスクル株式会社 メディカル部, アスクル株式会社 CSR推進部, 株式会社ディ・エフ・エフ