アスクルは、地球温暖化による気候変動を事業活動に多大な影響を及ぼすリスク、かつ事業拡大に寄与する機会と捉え、効率的なエネルギー使用の抑制、削減や100%再生可能エネルギー化などに努めながら、サプライチェーン全体でCO₂の削減を進め、ネットゼロエミッションを目指します。
2016年7月に開催した「アスクル環境フォーラム2016」において、「2030年CO₂ゼロチャレンジ」を発表しました。2017年11月に開催した第2回目となる「環境フォーラム2017」では、「RE100」と「EV100」へ加盟し※1、取り組みを進めていくことを宣言いたしました。「RE100」と「EV100」双方への加盟は、国内企業としては初の事例となります。(「RE100」はRenewable Energy100を、「EV100」はElectric Vehicles100を意味しています。)
●「RE100」は、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が参加する国際ビジネスイニシアチブです。アスクルでは、「RE100」加盟に際し、以下2つの目標達成を宣言いたしました。
●「EV100」は、事業運営に関係する車輌をすべて電気自動車に転換することを目標に掲げる企業が参加する国際ビジネスイニシアチブです。物流センターの運営や配送を担うグループ企業ASKUL LOGIST株式会社が所有およびリースにより使用する配送車輌について、2030年までに100%EV化することに取り組んでまいります。
※1:「RE100」と「EV100」双方とも、英国の非営利組織クライメイト・グループ(The Climate Group)が主催するビジネスイニシアチブです。2014年に始まった「RE100」へのアスクルの加盟は日本国内企業で3社目でした。また、2017年に始まった「EV100」へのアスクルの加盟は日本国内企業で2社目となります。
●取り組み・進捗は以下をご覧ください。
「CO₂ゼロチャレンジ」は、2030年までの環境中期目標ですが、2050年までの環境長期目標として、サプライチェーン全体での「ネットゼロ」目標を掲げています。
ネットゼロの具体的な移行計画および取り組みについては、以下を参照ください。
また、環境中長期目標は、SBT(Science Based Targets)の認定を取得しています。具体的なSBT目標は以下を参照ください。
アスクルは、2016年、「2030年CO₂ゼロチャレンジ」を宣言し、2030年までに事業所・物流センターからのCO₂排出量をゼロに、また物流センターからお客様にお届けする車両(子会社所有またはリース)からのCO₂排出量をゼロにすることを目標にしています。その翌年2017年には、国際的イニシアティブである「RE100(Renewable Energy 100%)」と「EV100(Electric Vehicle 100%)」に加盟しました。
2018年から物流センターへの再生可能エネルギーの導入を開始し、2030年までにアスクルグループのすべての事業所・物流センターで使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えることを目指しています。
アスクルは、2017年、国際的イニシアティブである「RE100(Renewable Energy 100%)」とともに、「EV100(Electric Vehicle 100%)」にも加盟しました(同時加盟)。2030年までに、物流センターからお客様にお届けするラストワンマイルの車両(グループ会社であるASKUL LOGIST所有またはリース)を100%EV化することをゴールにしています。
電気自動車は、走行時は排ガスを出さず、CO₂排出量もゼロになるため、大気汚染対策や気候変動対策に大きく貢献します。ラストワンマイルの配送拠点である新木場センターは、2020年8月に電力を再生可能エネルギーに切り替えました。これにより充電から走行時までのCO₂排出量ゼロを実現しています。電気自動車は、騒音・振動が少なくスムースな走行であるため、ドライバーの身体への負担が少なく、疲労軽減も期待できます。
導入年 | 導入車両 | 車種 | 用途 |
---|---|---|---|
2016年 | 日産自動車 e-NV200 |
ラストワンマイル | |
2020年 | 三菱ふそう eCANTER |
家具配送・デポ輸送 | |
2021・2024年 | 三菱自動車 MINICAB-MiEV |
ラストワンマイル | |
2023年 | フォロフライ F1 VAN |
ラストワンマイル | |
2024年 | 日野自動車 日野デュトロ Z EV |
ラストワンマイル |
アスクルは、2030年に向けて電気自動車の導入を順次進めてまいります。
アスクルでは2014年5月期から、商品の原料調達からお客様に届くまでの一連のプロセス(サプライチェーン)におけるCO₂排出量を算定しています。
サプライチェーンCO₂排出量算定にあたっては、環境省「平成26年サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量等算定方法調査委託業務」の一環で実施された「サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量算定支援」(※1)の支援を受け、企業のサプライチェーン排出量算定のための基準である「スコープ3基準」に基づき、サプライチェーンを15個のカテゴリに分類・体系化し、それぞれのCO₂排出量を算定しています。今後、この算定結果をもとに、サプライチェーン全体の排出量を算定・把握し、排出量が大きい部分や削減可能性の高い部分を明らかにし、効率的な削減対策を実施してまいります。
※1:詳細は、環境省「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」をご参照ください。
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/index.html
スコープ3に基づくサプライチェーンCO₂排出量算定結果(2024年5月期)
カテゴリ | カテゴリ名 | t-CO₂ |
---|---|---|
カテゴリ1 | 「購入した製品・サービス」 | 1,312,616 |
カテゴリ2 | 「資本財」 | 20,953 |
カテゴリ3 | 「Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動」 | 4,007 |
カテゴリ4 | 「輸送、配送(上流)」 | 35,581 |
カテゴリ5 | 「事業から出る廃棄物」 | 1,774 |
カテゴリ6 | 「出張」 | 506 |
カテゴリ7 | 「雇用者の通勤」 | 3,886 |
カテゴリ8 | 「リース資産(上流)」 | 0 |
カテゴリ9 | 「輸送、配送(下流)」 | — |
カテゴリ10 | 「販売した製品の加工」 | — |
カテゴリ11 | 「販売した製品の使用」 | 286,822 |
カテゴリ12 | 「販売した製品の廃棄」 | 141,749 |
カテゴリ13 | 「リース資産(下流)」 | — |
カテゴリ14 | 「フランチャイズ」 | — |
カテゴリ15 | 「投資」 | — |
合計 | 1,807,894 |
対象範囲:アスクル株式会社および子会社6社
2024年5月期までの上記「スコープ3に基づくサプライチェーンCO₂排出量算定結果」は、一般財団法人日本品質保証機構による第三者検証を受けています。
アスクルのサプライチェーン排出量は、Scope3が99%以上であり、その中でもカテゴリーが70%以上を占めています。
Scope3カテゴリ―1は、「購入した製品・サービス」であり、アスクルではサプライヤーから供給される商品・資材の仕入れが該当します。カテゴリー1の集計方法は、商品の仕入れ重量(または金額・数量)に種類ごとの排出係数を乗じて算出しています。そのため売上の増加に伴い、仕入れ重量や金額が増加し、カテゴリー1CO2排出量は増加することになります。
アスクルでは、2030年までの環境短期目標、2050年までの長期目標それぞれにおいてScope3の削減を指標にしていることから、サプライチェーン全体でCO2排出量の占める割合の大きいカテゴリ―1を削減することが重要になっています。
そこで、2023年に、効率的かつ正確な CO2排出量の算定を行うために booost technologies 社提供のサプライチェーン CO2排出量見える化ツール「booost Supplier」を導入し、サプライヤーから収集したデータを活用し、商品のCO2算定を開始しました。まずは、アスクルオリジナル商品のCO2排出量の見える化を進めています。アスクルのScope3カテゴリー1の削減に向けた施策を検討することにつながるとともに、サプライヤーにとっては、自社製品や自社削減等努力が反映される仕組みが構築できるようになります。また将来においては、商品CO2排出量がわかり、お客様が商品を購入する際の参考になることを期待しています。
CFP(カーボンフットプリント)は、Carbon Footprint of Productsの略称で、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO₂に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みです。LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用し、環境負荷を定量的に算定します。
アスクルカタログのカーボンフットプリントは1冊あたり、8.1Kg-CO₂となりました。一般社団法人産業環境管理協会より認定を受けています。
http://www.cfp-japan.jp
公開番号:CRーBS05ー17021