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【2024年度】アスクル×リス様 対馬スタディツアー

【2024年度】アスクル×リス様 対馬スタディツアー

Report 2024年度対馬スタディツアー <アスクル×リス様>2024年11月18日~20日 海辺のゴミ回収にて集合写真

初となる、アスクルとメーカー様の2社合同ツアーを実施しました。ご参加いただいたのはリス株式会社様、アスクルからは商品開発担当者と2023年対馬スタディツアーメンバーの一人。ツアーの様子を、アスクルメンバーがレポートします!

スタディツアー実施のきっかけ

リス様は、プラスチック製品のメーカー様としてプラスチックのリサイクルにも積極的にお取り組みされており、ちょうど対馬の海洋プラスチックごみを配合したごみ箱を開発されておりました。それを知り、リス様に対馬の実際の様子(海洋ごみ問題)を知っていただくことで、今後の新商品開発等に活かせるのではと考え、リス様にお声がけさせていただき、2社合同ツアーの実現に至りました。(2023年対馬スタディツアーメンバー 友平)

スタディツアー行程

海岸清掃やごみ処理施設の視察のほか、漁業者にヒアリングなども盛り込みました。

1日目
  • 対馬空港
  • 赤島海岸
  • 対馬クリーンセンター
  • 和多都美神社
2日目
  • クジカ浜清掃
  • 丸徳水産
  • 美津島町漁協
  • 朝鮮通信使歴史館
  • 万松院
  • 西山寺
3日目
  • 対馬エコツアー
  • 振り返りワークショップ

また2023年スタディツアーと同様に

  • 対馬市役所 しまづくり推進部 SDGs推進課 副参事 兼 係長 前田 剛さん
  • 対馬里山繋営塾 代表理事 川口 幹子さん

にご協力いただきました。

対馬の地図上に書かれたスタディツアー行程

スタディツアー内容

海洋ごみ清掃の実態を体験する

海岸清掃活動は、東側のクジカ浜で実施。海洋ごみの漂着場所までは足元が悪く、斜面になっている海岸を歩く必要があり、海洋ごみを拾うこと以上に運び出すことが大変でした。3時間程度で海岸をきれいにできると思っていましたが、実際には到底拾いきれず…。回収作業の大変さとやり切れなさ、海洋ごみをリサイクルするまでに、時間・労力・お金がどれだけかかるのかを身をもって体験しました。
また、本来は海岸付近まで車が通れる道がありましたが、鹿などの害獣による地面の乾燥で斜面が崩れ、道路が決壊したことで、このような作業の難化が起きているそう。海洋ごみ問題だけではなく、環境問題全体のつながりを実感しました。

海辺で回収したゴミを背負って運んでいる
改修したゴミが軽トラックに積まれている

リサイクルの流れを学ぶ

対馬クリーンセンター中部中継所では、海洋ごみがリサイクルされて素材になるまでの過程を視察。商品を製造するメーカーが使うのはリサイクルされたペレットですが、そのペレットになるまでの過程で、大変な分別作業が発生すること、運搬のためにエネルギーを多く使用することを知ることができました。
処理やリサイクル方法に正解がなく、現地の方が日々試行錯誤をしながら、島内外の人々と協力をして、その時々の解決策を選んで実行しているのも印象的でした。

海岸に打ち上げられたブイなどのプラスチックごみ
細かく砕かれたプラスチックゴミが容器に排出されている

海洋ごみの問題だけでなく、対馬全体を知る

遣唐使や朝鮮通信使をはじめとした対馬の長い歴史や近隣諸国との交流、シーカヤックの観光資源など、対馬の置かれている状況を総合的に学びました。海洋ごみがあまり漂着していない離島の海岸を見て、本来あるべきこの姿に戻していきたいとツアーメンバー皆で気持ちが熱くなりました。また、昔から対馬は民間レベルで課題解決に取り組んだ歴史があるので、これからは海洋ごみ問題という課題解決に向けて対馬の皆様とアスクルとメーカー様で取り組み、新しい歴史を作っていきたいと感じました。

シーカヤックが準備されている
入り江のようなところに浮かんでいるボート

スタディツアーを終えて ~感想~

リス様より

この度はスタディツアーを企画いただきありがとうございました。今回ツアーに参加した目的は、海洋プラスチックごみの現場を知り、開発検討している商品の販売に活かすことでした。視察を振り返り思うのは、実際に現地をみるまでは「他人事」だったな、と猛省をしています。海岸沿いを埋め尽くす漂着ごみの光景はとても衝撃的で、回収~分別にかかる労力は想像を超えるものでした。弊社リスのプラスチックグループは昭和28年に設立以降プラスチックの総合メーカーとして多くの製品を製造・販売してきました。プラスチック製品が人々の暮らしを便利にしてきた事は言うまでもありませんが、近年では海洋プラごみ問題によってプラスチックが悪者として扱われることも多くなりました。本問題の解決に向けて、製造メーカーだからできる事で貢献したい思いが強くなりました。検討中の海洋漂着ゴミをアップサイクルした製品開発を実現し、対馬のゴミ問題を知ってもらい「考えるキッカケ」の一助となれば幸いに思います。(リス株式会社 正木様・竹内様)

海岸に打ち上げられた海洋ゴミ
シーカヤックとともに海辺で集合写真

アスクル社員より

「対馬のこれから」と「私たちやアスクルに出来ること」について考えるとても有意義なツアーとなりました。今回はプラスチック・樹脂製品のメーカー様に参加いただいたことで、樹脂製品の製造や再資源化に関するメーカー様の視点に基づく解説や知見をいただきつつ、樹脂製品を作る責任や販売する責任について意見交換ができました。特に対馬の皆様が抱えている海洋ごみの回収や処理コストが大きな負担になっていることについてどういった支援できるか、そもそもプラスチックを使用しないといったことは実現できないのだろうかといった議論も深めることができました。対馬里山繋営塾の川口様、対馬市しまづくり推進部SDGs推進課の前田様、リス株式会社の正木様、竹内様からそれぞれのお立場でのご意見を伺うことができたことは、我々個人として、またアスクルとして今後どうしていくべきかを深く考えるきっかけをいただけたと思います。まず「私たちやアスクルに出来ること」としては4つ。

  1. ❶ゴミになりやすいプラスチックの代替素材を検討する取組
  2. ❷海洋ゴミ由来の再資源化された素材を使用した製品を流通させる取組
  3. ❸それらの取組で得た利益とその取組活動を発信し対馬を支援する取組
  4. ❹海洋ゴミとして流出してしまう可能性の高いプラスチックを削減する取組

上述を今後の商品やサービス開発に向けた提言とさせていただきます。
(家具・生活雑貨担当 岩崎・野崎)

対馬を中心に、海洋ごみの漂着の最前線で、アスクルとリス様の2社が現場を体験し、同じ目線・課題意識を共有できたのが大変いい機会となりました。 ツアー出発前は「海洋プラスチックから再生した素材を配合することで課題解決につながる」と考えていたメンバーも、リサイクルや商品のライフサイクルのリアルな現場に目を向けることで、配合することは解決策の1つだという認識に変わるきっかけになりました。 海洋ごみ問題をどんな形で対応するのが最適なのかの正解はまだわからないですが、まず目先でできるリサイクル商品の開発でお客様に興味・関心を持ってもらいつつ、将来的にはごみの発生抑制となる商品・サービス開発を行っていきたいと想いを新たにしました。(2023年対馬スタディツアーメンバー 友平)

アスクル株式会社 メディカル部, アスクル株式会社 CSR推進部, 株式会社ディ・エフ・エフ