アスクルは、森林資源など自然資源を利用する事業者としての責任を果たし、生態系に配慮して自然との共生を図ります。
アスクルオリジナルコピー用紙は、お客様のお手元に届いたロット番号から、トレーサビリティをたどり、どんな木からコピー用紙が作られたのかがわかります。
皆様のお手元にあるコピー用紙に刻印されたロット番号は、カッターサイズと呼ばれる機械で巨大なトイレットペーパーの形をしたミニロールを断裁してコピー用紙に加工・包装する時に押されます。
このロット番号から、加工日と使われたミニロールのロット番号が分かります。1日で、A4サイズのコピー用紙が約35万冊分作られます。
ミニロールは、抄紙機によって作られる紙の原反(ジャンボロール)を小さく加工したものです。1本のジャンボロールからは、約20本のミニロールができます。ミニロールのロット番号から、紙の原反の生産日と、使われた原料であるパルプの管理番号が分かります。
パルプはスマトラ島にあるパルプ工場からジャワ島にある製紙工場に運ばれますが、製紙工場で管理しているパルプの管理番号とパルプ工場の出荷記録をつけあわせることで、パルプ工場での生産記録にさかのぼることができます。
パルプのロット番号は、パルプ工場で生産された時に刻印されます。
パルプは、原料となる木材を小さくチップ状にして、じっくり煮込んで紙を使うのに必要な繊維を取り出したあと、繊維をシート状に乾燥させたものを何枚も重ね、一つの塊として管理します。
木材の皮や、繊維以外の成分(黒液など)は、捨てずに全て機械を動かすバイオマス燃料として有効利用します。
パルプのロット番号から、パルプの生産日と使われた原料の木材の管理番号が分かります。
木材の証明書からは、木材の種類、森林認証や合法性認証の有無、納入日が分かります。
植林会社から納品される時には搬入される木材と納品書を細かくチェックして、違法伐採品が含まれていないか、植林地のどの区画で収穫された木材なのか、植林会社から指定を受けたトラック(または船)と運転手が納品をしているのかどうかを確認します。
2013年から違法に伐採された木材の混入を禁止したことで、製紙メーカーグループが保全している自然林での違法伐採などによる滅失率は、年平均5%から2020年には1%未満にまで大きく改善しました。
パルプ工場に運ばれる木材は、インドネシアの植林会社で育てられた植林木で自然林は使われていません。苗床で3か月ほど苗を育てたあと、植林されて約6年間で30メートルほどに成長し、収穫されます。6区画に分けた植林地に毎年1区画ずつ植林することで、原料となる木材が毎年安定的に収穫されます。
各植林会社は、国際的な森林認証制度であるPEFC認証や国が定めた木材の合法性認証を取得し、認証証明書や環境アセスメントの結果も公開しています。
アスクルのインドネシア製オリジナルコピー用紙1箱(5,000枚)には、原材料となるアカシヤやユーカリの木が1本必要です。そこで、お客様のコピー用紙1箱ご購入に対して、2本植林されたことを確認する取り組みを2010年8月から行っています。植えて、育てて、収穫して、コピー用紙をつくる「木の畑」が完成しています。
2023年8月に当社、嬬恋村および嬬恋銘水株式会社が連携して、群馬県吾妻郡嬬恋村の森林整備を協働で実施する協定を締結しました。近年、水資源に関する社会的な関心が高まり、森林によるCO2の吸収効果や生物多様性の回復が求められています。また、アスクルは嬬恋銘水で取水した地下水をミネラルウォーターとして販売している背景もあり、嬬恋村の森林整備に参加することとしました。この活動を通じて、嬬恋村の水源涵養の向上、自然資源の保全や回復に貢献したいと考えています。また、行政、地域社会、民間企業間の対話の機会、および協働による持続可能な社会の実現に向けて行動していきます。