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明日へ 未来へお客様とともに 歩き続けていく スクル株式会社 代表取締役社長 CEO 吉岡 晃 インタビュー実施日:2019年10月
  • アスクルが大切にしてきたこと
  • 目指すのは「三方よし」のビジネスモデル
  • 事業活動を通じて社会課題の解決を目指す
  • お客様のために進化し続けていく

アスクルが大切にしてきたこと

私たちは、お客様の声に素直に耳を傾け、それにお応えすることで、事業を発展させてきました。では、お客様とは誰であるのか。文具・家具メーカーであるプラス株式会社の一事業部として、1993年に通販サービスの提供を開始したアスクルは、お客様を「商品を利用するエンドユーザー」とであると考えました。そして誕生したのが、アスクルモデルと呼ばれる全く新しい流通システムです。
この流通システムには、社名の由来ともなっている「注文した商品が翌日(明日)には届く(来る)」ということ以外にも、当時としては画期的な特徴がありました。例えば、自社製品(プラス製品)以外も取り扱ったことや、無駄を省いた合理的な流通システムを通じて、よりお求めになりやすい価格で販売したことなどです。当初は社内や業界から反発の声もあったと聞いています。
しかし、それを乗り越えてきた。なぜなら、エンドユーザーであるお客様が求めていたのは、「欲しい商品を、リーズナブルな価格で購入する」ことであったからです。アスクルモデルのすべては、お客様の声にお応えするために構築されました。
その後も、「こんな商品を取り扱って欲しい」というお客様のご要望を受けて、文房具から家具、さらには、工具や衛生・介護用品、医薬品・医療機器など、オフィス用品以外へと取扱商品を増やしていきました。また、今から約20年前に、インターネットでの注文や、東京23区を対象とした当日配送をスタートさせるなど、お客様の声をきっかけとして、時代に先駆けたサービスを生み出してきました。 お客様のために進化する。この企業理念、DNAが、今日の私たちを形づくってきたのです。

目指すのは「三方よし」のビジネスモデル

事業活動を通じて社会課題の解決を目指す しかし、お客様の声を的確に把握することは容易ではありません。事業環境が急速に変化し、お客様のご要望が多様化、複雑化する今の時代にあっては尚更です。
それを読み解くためには、不可逆的な構造変化を捉える必要があると思っています。ひとつが、お客様はより便利なものを求めていくということ。この観点で言えば、デジタル化の波は避けることはできないでしょう。また、国内における労働力不足、地球規模では気候変動の影響などが挙げられます。
そのような不可逆的な構造変化の中で、私たちもお客様も、ビジネスが社会に与える影響を一層考慮する必要が出てきています。では、私たちはどのように未来へと歩いていくべきなのか。キーワードは、日本古来の言葉である「三方よし」であると私は考えています。
アスクル、お客様、さらには調達先などのビジネスパートナーを含めて、アスクルの事業に関わるすべてのステークホルダーがハッピーになり、その結果、社会課題が解決し、社会全体がハッピーになれる「売り手よし、買い手よし、世間よし」のビジネスモデル。それがこれからアスクルが目指すべきゴールであり、世界共通の目標であるSDGs*が掲げる「誰一人取り残さない」という理念にも通じるものであると思っています。

* Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標):2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際目標

事業活動を通じて社会課題の解決を目指す

具体的な取り組みについて、少しご紹介します。SDGsの文脈の中で、人や社会、地球環境に配慮した倫理的に正しい消費として「エシカル消費」という言葉をよく耳にするようになりましたが、アスクルでは商品開発という軸で、同様の考え方を取り入れています。例えば、「1 box for 2 trees」プロジェクトでは、コピー用紙の原材料である木をサステナブルに確保する取り組みを2010年から進めてきました。このような社会課題の解決に貢献する商品開発に注力していくことに、これからも変わりはありません。

また、さらに重要になってくるのが、原材料メーカーやサプライヤー、そしてお客様をも巻き込んだ社会課題の解決だと思っています。例えば、海洋プラスチック問題が深刻化する中、アスクルではサプライヤーの皆様と一緒に「 脱プラスチック」に向けた取り組みを始めています。さらに、私たちのビジネスを通じて業種業態を超えてつながった企業同士で、脱プラスチックに貢献する素材の情報を共有する動きも具体的に始まっています。アスクルというプラットフォームを基盤に、様々なアプローチで、様々な形で社会課題の解決に貢献していく。私たちは、そういった流れをもっとつくっていきたいと考えています。

このほか、2011年に発生した東日本大震災の被災地の子どもたちを応援するために立ち上げた「ASKUL Kodomo Art Project」のように、事業活動を通じた被災地への支援も、昨今、災害に頻繁に見舞われる日本で事業を展開する企業の責務として、継続的に取り組んでいきます。

お客様のために進化し続けていく

「三方よし」のビジネスモデルを目指し、私たちはお客様のために進化し続けなければなりません。なぜなら、持続可能な社会の実現は、お客様の未来にとっても欠かすことができないものだからです。
そのためにまず大切なことは、アスクルで働く人たちが心身共に健康な状態であることだと考えています。アスクルでは、「働く人を応援する仕組みづくり」を積極的に進めています。現場の最前線で働く物流センターの従業員を対象に、食事を無料で提供する試みを開始したのも、そのひとつです。アスクルで働くすべての人たちが、お客様の声に耳を傾け、お客様のために進化することに集中できる環境をいかにつくっていくのか。
常に模索し、考え、行動することが、私の社長としての重要な役割であると認識しています。
アスクルの未来は、これからもお客様とともにあります。明日へ未来へ、私たちはお客様とともに歩き続けていきます。

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